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バインダーがファイルになる?書類整理や保管用に使ってみよう!
● パイプ式ファイル
丈夫な金属製のパイプに書類にあけた2つの穴を通し、上から留め具ではさんで保管するタイプのファイルです。・書類をしっかりと固定できる。
・頑丈で大容量収納できる製品が多い。
【デメリット】
・留めている書類が開きにくく、閲覧しづらい。
・大容量のものは持ち運びに向かず、場所をとる。
【用途】
・長期間保管しておきたい書類・資料に向いている。
● リングファイル
2つのリング(製品によっては3~4つあることも)に書類を通すファイルです。リングはO型とD型の2種類があり、レバーでリングを開閉する「レバー式アーチファイル」というものもあります。O型リング……形状が「O」になったリング。Oの形になっているので書類がめくりやすい。
D型リング……形状が「D」になったリング。書類を留めたときに束が左右まっすぐ揃う。
・リングになっているので留めている書類がめくりやすく、閲覧しやすい。
【デメリット】
・2穴だけで留めているので、閲覧を繰り返しているうちに穴に負荷がかかって傷が生じることも。
・開閉用レバーのないタイプはリングを直接指で左右に開閉するため、ある程度の力が必要。
【用途】
マニュアルなどよく閲覧する書類・資料などに適している。
● フラットファイル
プラスチックの留め足を書類の穴に通し、留め足を折りたたむように留め具で固定するタイプです。・比較的に値段が安いものが多い。
・紙製で軽いものが多い。
【デメリット】
・留めている書類をめくると、留め具部分に折り目がついてしまう。
・留め足に穴を通して留め具で固定するため、書類の出し入れに少し手間がかかる。
【用途】
軽量のため、持ち運ぶことが多い会議用資料などの書類の保管として適している。
● レバー(Z式)ファイル
バネのついたレバー付きの綴じ具で書類をはさみ込むファイル。綴じ具に書類を置き、レバーを下げるだけで書類を留められます。・書類をレバーではさむだけなので収納が簡単。
・書類に穴をあけずに収納できる。
・ワンタッチで開閉できるので負担が少ない。
【デメリット】
・綴じた状態で書類をめくるとレバー部分で折り目がついてしまう。
【用途】
・整理中の書類の一時保管用として。
・請求書など穴をあけたくない書類の保管用。
● ポケットファイル
透明の袋状のポケットに書類を入れて保管するタイプです。・ポケットに入れるだけなので、手軽に収納できる。
・資料をめくりやすく、閲覧しやすい。
・ポケットで保護されるため、書類が傷みづらい。
【デメリット】
・書類の順番を変える場合、ポケットから出し入れする手間がかかる。
・保管できるページ数(ポケットの数)が決まっていて、自由に増やしたり減らしたりできない。
【用途】
・穴をあけたくない公文書や重要資料など。
・社外用資料(会社案内やポートフォリオなど)を入れてわたせば、書類が傷まず、閲覧もしやすくて便利。
バインダーも複数のリングでルーズリーフを留める構造になっているため、パイプ式ファイルやリングファイルと似た性質をもっているといえます。また、アクセサリーのクリアポケットをバインダーと組み合わせれば、ポケットファイルと同じ用途で活用することもできます。
バインダーは、実はさまざまなファイルの特長を併せ持つ優れもの。バインダーを筆記のみに使っている人は、次に紹介するファイリング術を参考に、ぜひ書類の整理・保管用としても使ってみてください。
● バインダー+クリアポケットで「ポケットファイル」のデメリットを解消
ポケットファイルのデメリットとして、「書類の順番を変える場合、ポケットから出し入れする手間がかかる」ということがあります。たとえば順番ごとにファイリングしている書類があったとして、10枚目に入れた書類を3枚目に移動したいと思ったとします。その場合、4枚目以降の書類をすべて取り出してそれぞれひとつ後ろのポケットに入れ直さなくてはなりません。バインダーとクリアポケットなら、書類が入ったクリアポケットを取り出して3枚目に移すだけです。
● 書類に「パンチ」でリングの穴を空けて留める方法も
「26穴」や「30穴」など、バインダーの穴数に合わせて書類に穴を開けられるパンチもあります。それを活用すれば、ルーズリーフのようにバインダーに直接はさむこともできます。バインダーは穴数が多く書類をしっかり固定できるので、書類のズレなどによる穴からの傷みも軽減できます。
● クリアポケット用のインデックスもある
一般的なバインダー用のインデックスは、ルーズリーフの大きさに合わせてつくられています。そのため、ルーズリーフよりもサイズが大きいクリアポケットの分類・整理のために使うとタブの部分がややクリアポケットに隠れてしまいます。
クリアポケットにインデックスを使うなら、クリアポケット用の幅広インデックスを使用しましょう。タブがクリアポケットに隠れることなくしっかり確認できるのでおすすめです。
バインダーを棚などに収納する場合は、背表紙部分に「業務マニュアル」や「ポートフォリオ」などラベルを貼っておくと探しやすくなります。製品によっては背表紙部分にファイル名を記入した紙などを差し込めるものもあるので、バインダー探しの際にはチェックしてみてください。
また、デスクのうえに書類ケースを置いて、そこにバインダーを収納してみてもいいでしょう。バインダーを立てて収納できるのでデスクのスペースを取らず、すぐに取り出せて便利です。
バインダーにはA5サイズよりも小さなミニサイズのものがあり、ミニサイズ用のアクセサリーも豊富にあります。ミニサイズのクリアポケットがあるのはもちろん、「カードポケット」や「ファスナー付ポケットリーフ」などを活用すれば名刺やUSBメモリなどもファイリングできます。
ファイルと同じ使い方ができるバインダーですが、ここまで紹介したようにファイルにはないメリットも多くあります。最後におさらいとして、バインダーをファイルとして使うメリットをまとめてみました。
インデックスを使えば、書類をカテゴリ別、あるいは月別などに分類しやすいのがバインダーのメリットです。また、「リングファイル」や「ポケットファイル」などは、書類の順番を入れ替えるのに時間が掛かってしまいがち。バインダーなら、クリアポケットを取り外して入れ替えるだけで簡単に整理できます。
レバーファイルやフラットファイルだと、留め具部分が用紙の端を押さえ込んでいるため、閲覧するときに書類がめくりにくいというデメリットがあります。資料の印字されているスペースが広ければ、文字が隠れてしまうことも。バインダーはリング式なので書類をめくりやすく、閲覧しやすいのが魅力です。
ここまで紹介してきたように「インデックス」「クリアポケット」など、便利なアクセサリーと組み合わせられるのが最大のメリットといえるでしょう。もちろんルーズリーフと組み合わせて、「筆記」「書類の保管」として併用することもできます。