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「自分を知る」ためにノートを活用!自己肯定感アップや自己分析に役立つ方法
「自分を知る」ためのノートを書くにあたって、こまかいルールはありません。感じたことをそのまま文章として書くだけもよいでしょう。では実際、自分の内面を知るためにノートを書くことにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
長所や自分の気持ちなどを文字にするのは、やや気恥ずかしいかもしれません。しかし、自分に対して満足し、自分を価値ある存在として受け入れられる感情(これを「自己肯定感」といいます)を獲得するためには、とても重要な行為です。
人は他人と自分を比べてしまう傾向にあり、優れた人を見ると自己否定感が強くなってしまうもの。しかし、ノートにがんばったこと、やり遂げたこと、自分の好きなところなどを書く習慣をつければ、自然と自信が湧いてきます。自分がどういった人間なのか理解・確認することで、周囲に惑わされずブレない自分を持つことができるでしょう。他人との比較によるストレスも減るはずです。
他人との比較に慣れてしまうと、言いたいことが言えなくなったり、自分の持ち味を発揮できなかったりすることも多くなります。そういった状態が続き、自分の価値観がわからなくなってくることもあるでしょう。こだわりたいことや大事にしたいことをノートにアップデートしておけば、価値観や信念がクリアになり、「これからどうしていきたいのか」をはっきりと意識できます。
転職先に求めたいこと、身につけたい知識やスキルのこと、親孝行に関すること、ダイエットや節約の途中で感じたことなど、細かく心情をまとめておくと、実現したい未来が具体的になるでしょう。価値観を明確にすることで行動に迷いがなくなり、心に余裕を持たせることにもつながります。
自分を知ることは、就職活動や転職活動を円滑に進めるうえで非常に重要です。自己分析を行い、その内容をノートにまとめておけば、向いている業種・職種や得意分野、仕事上のポリシー、強みや弱みを客観的に把握できます。面接でも、余裕を持って受け答えができるかもしれません。建前ではなく本音だと面接官に感じてもらえれば、プラスに働くことも多いでしょう。
ノートは、考えや感情を素直に表現することで、自分の気持ちと向き合うツールにもなります。自分を見失いがちな人、自分を正しく知りたい人は、自己分析のためにノートを活用してみましょう。
心を整理するときに活用したいのが「ジャーナリング」です。ジャーナリングの考え方はシンプルで、思ったことをそのままノートに書くことで心を落ち着かせます。頭のなかでスッキリしない気持ちを文字などで表現するだけなので、簡単に実践できるでしょう。
まずペンとノートを準備し、心が落ち着ける場所で書いていきます。次にノートに書くテーマと時間を決め、一定時間書き続けましょう。ノートに書き終えたら、内容を振り返ってみてください。クローゼットを整理整頓するために、散らかっていた衣類を一度外に出すイメージです。自分の素直な気持ちが理解できるので、心の整理をつけやすくなります。
自分の短所を長所に置き換えるなど、物事の視点を変えるのが「リフレーミング」という方法です。自分の性格を「暗い」と感じている人は「落ち着いている」と表現するなど、視点を変えれば考え方もとらえ方も変わってきます。
リフレーミングのやり方は、まずノートに自分の弱みを書いていきます。次に、書いた弱点の隣に別のポジティブな内容の言葉を添えていきましょう。これができるようになれば、物事の視点を変えたり、自己肯定感を高めたりするきっかけになります。
不安や怒りといった負の感情をノートに書き出すのが「エクスプレッシブ ライティング」です。ネガティブな内容をノートに書くことで、感情を理解し、ストレス解消につなげます。
エクスプレッシブ ライティングでは、負の感情が生じた原因をできるだけ細かくノートに書き出してください。書き出した内容をあとから読むことで、自分の感情を正しく分析できます。「なぜ負の感情を抱いたのか」を知れば、どうすればそうならないようにできたか、次はどう向き合うべきか、といった対策を前向きに考えることができるでしょう。
自己分析ノートをつくるなら、まず「自分史」をまとめるところから始めましょう。自分に大きな影響を与えた過去の出来事を古い順に書き出していき、なにが一番楽しかったのか、うれしかったのか、感動したのかなどを記していきます。
そのあとは、楽しかった理由などをどんどん掘り下げていき、自分の感情を洗い出しましょう。そうすることで、面接官に「思い出に残ったエピソードはなんですか?」といった質問をされた際にも、自分史のインデックスから「答え」を正確に引き出すことができます。
就職・転職で自分の価値観に合っている企業を選びたいなら、「感情グラフ」を作成すると明確に答えを引き出せるかもしれません。感情グラフは、自分の感情のバイオリズムをグラフにしたもの。作成方法は、横軸に「時間」、縦軸に「感情の上下や根拠」などを記していくだけです。
感情グラフはどのタイミングで感情が動かされたのか、視覚的に理解しやすくする方法論です。グラフが高い位置にあれば、そのときどんな経験からなにに喜びを感じたのか。逆に急に落ち込んだところでは、なにに怒りや悲しみを感じ、どのような状況にどう向き合ったのか。感情グラフを通して過去の自分の考えや行動を振り返れば、自分の強み・弱みや、企業選びで大事にしたいことが見えてくるかもしれません。
過去の経験を書き出すことができたら、次は自分の強みを書き出していきましょう。強みは企業に「自分はなにができるのか」を伝えるために必要な要素となります。
「自分の強みによって企業にどのような利益をもたらせるのか」をはっきり示せる根拠があれば、面接官からの評価が上がる可能性があるでしょう。
最後に、自分の弱みについても自己分析ノートに書き出しましょう。面接の際には、自己分析がしっかりできているのかを確かめるために「弱み」に関する質問が飛んでくることもあります。明確な答えを持っておけば、質問されたときに慌てる心配はないでしょう。
弱みを理解したら、「リフレーミング」によってそれを強みに変換できないか考えてみてください。「こだわりが強い」のが弱みであれば、「信念を持って行動している」と置き換えられるでしょう。自己肯定感を高めるきっかけにもなるので、自分の弱みは洗い出す必要があります。