- 読む文具
- 更新日: (公開日:)
【レビュー企画】水彩紙スケッチブック「ヘリテージ」に描いて比較してみた!
レビュー企画第2弾! ということで、再び登場しました「読む文具編集部」です!
第1弾の『図案スケッチブック 』に続き、今回お届けするのは“水彩紙”のスケッチブックレビューとなります!
水彩画を描いている方にはおなじみの水彩紙スケッチブックですが、その種類は多様で特長もさまざま。人によっては同じ製品を使い続けていたり、描きたい絵によって使い分けていたりするかもしれません。
マルマンで取り扱っている製品には、マルマンオリジナルの国産水彩紙『ヴィフアール』、加えて『アルシュ』『キャンソン・ヘリテージ』『ボッキングフォード』など世界でも有数の水彩紙があり、多く の方に愛用されています。
レビュー第2弾では、そのなかでも『キャンソン・ヘリテージ』をピックアップしました! 「最高級水彩紙」と呼ばれる理由は? どんな描き心地? その特長やラインアップを振り返りながら、今回は『キャンソン・ヘリテージ』の描き心地や紙肌 などをチェックしていきます!
紙をつくる工程(抄造/紙料から紙を漉く作業)には、大きく2種類あることをご存知でしょうか? ひとつは現在一般的となった「長網抄紙機」を使った製造方法、もうひとつが伝統的な「円網抄紙機」を使った製造方法です。
「長網抄紙機」による製造は、紙を高速かつたくさん抄造できるのがメリット。一方の「円網抄紙機製造」は手すきに近く、厚い紙を漉けたり、紙の流れ目がしっかり絡み合うことで紙が丈夫になったりと、さまざまな利点があります。
原料が吸水性のよいコットン100%である『キャンソン・ヘリテージ』は、伝統ある技術を駆使し、「円網抄紙機」で抄造されているため耐久性の高さが魅力です。また、次世代のサイジングによって濡れていても紙の安定性や白さが保たれ、均一なウォッシュやリフティングのやりやすさ、鮮やかな発色が得られるという特長も。
『キャンソン・ヘリテージ』には、「極細」「細目」「荒目」の3種類の紙肌があり、中間となるのが「細目」 です。
また、ラインアップとしてパッド製本と四方固めブロック製本があるほか、初めて使う方にもおすすめの一枚シート製品(560×760mm)、大きな作品も描けるロール製品(1,560×4,520mm)と、目的やシーンに合わせて選べます。
今回のレビューでは、パッド製本の水彩紙スケッチブック『キャンソン・ヘリテージ』の「極細」「細目」「荒目」をそれぞれ比較しながら、その極上の紙肌を体験していきたいと思います!
また、顔料が均一にのびている点や筆の跡が残っていない点にもご注目! 水彩紙によっては紙の白い部分が残ったり、絵具の輪形がムラっぽく残ったりしますが、とても均一な描線を可能にしてくれています。これなら思い切りよく筆を走らせても、思い通りの絵が描けそうです!
それぞれの紙肌がわかるように、続いてドライブラシでも試してみましょう!
● 細い筆でも描いてみる
● 画用紙とも比較してみた
凹凸の大きさやにじみ止め加工がされているどうかなど、そもそも水彩紙と画用紙はつくりに違いがあります。 それでは水彩絵具を扱う場合どれだけの違いが出るのか、比較してみたいと思います。水彩紙のスケッチブックで気になるのが、重ね塗りやぼかしなどがやりやすいのか、きれいに塗れるのか、 といったポイントではないでしょうか。そこで、ここからは中間の 紙肌となる「細目」の紙を使って、いくつかの水彩技法を試していきたいと思います!
色を重ねることで色がにごってしまう懸念もある「ウェット・イン・ドライ」だと、どうなるでしょうか。
乾燥した下の色に重ね塗りしていくと……。