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【レビュー企画】水彩画用スケッチブック『ボッキングフォード』はどんな水彩紙?
モールドメイド紙は、まるで手漉きを行ったときのようにしっかりと繊維が絡み合った強度が高い紙で、水にも強いため重ね塗りしても安定します。また、保存性に優れており、パステルやペン、アクリルなどさまざまな画材に適した紙でもあるので、「幅広い作品づくりに対応する水彩紙」とも言えるでしょう。
円網抄紙機とは
紙をつくる工程(抄造/紙料から紙を漉く作業)には、大きく2種類あることをご存知でしょうか? ひとつは現在一般的となった「長網抄紙機」を使った製造方法、もうひとつが伝統的な「円網抄紙機」を使った製造方法です。「長網抄紙機」による製造は、紙を高速かつたくさん抄造できるのがメリット。一方の「円網抄紙機製造」は手すきに近く、厚い紙を漉けたり、紙の流れ目がしっかり絡み合うことで紙が丈夫になったりと、さまざまな利点があります。
『ボッキングフォード』の特長のひとつとして、「リフトアウトのしやすさ」が挙げられます。ティッシュなどで色を取り除くのが簡単なので、修正がしやすい水彩紙でもあるということです。
高級なコットン100%の水彩紙は強度が高いというメリットがありますが、絵具が定着しやすく修正が難しいこともあります。そういった意味では、強度がありながらも修正がしやすい『ボッキングフォード』は、初級者から中級者へのステップアップの水彩紙としてもぴったりかもしれませんね!
水彩紙シート | 極細/細目/荒目 | 760 mm×560mm |
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水彩紙ブロック | 極細/細目/荒目 | 310 mm×230mm |
360 mm×260mm | ||
410 mm×310mm | ||
水彩紙ロール | 細目 | 1524 mm×10m |
『ボッキングフォード』には「極細」「細目」「荒目」とありますが、「細目」が中間の目の粗さに該当します。水彩紙や紙肌によって「にじみ」や「重ね塗り」といった水彩技法のやりやすさなども変わってきますが、果たしてボッキングフォードの描き心地はどうなのでしょうか!? 特に気になるのが、『ボッキングフォード』の特長と言われる「リフトアウトのしやすさ」です。 それでは、ここから実際にレビューしていきます!
続いては、そんな紙肌のスケッチブック『ボッキングフォード』に、いくつかの水彩画の技法を試してみましょう。もちろん、リフトアウトも実践していきますよ!
レビュー企画の第2弾、第3弾同様に、ボッキングフォードでも水彩画の技法をいくつか実践していきます! ここでは、中間にあたる「細目」の紙を使ってレビューします。
『ボッキングフォード』の魅力のひとつである「リフトアウトのしやすさ」。実際にどのくらい簡単にできるものなのでしょうか? ここでは、ボッキングフォードとほかの水彩紙を比較しながら、その魅力に迫ってみたいと思います! 用意したのはコットン100%の、比較的リフトアウトがしやすい水彩紙です(ここでは「水彩紙A」とします)。
水彩画用のスケッチブックは高価な製品が多く、また種類も豊富です。そのため、特に初級者から中級者へのステップアップとして水彩紙を選ぶ際には、どれがよいのか迷うこともあるかもしれません。
そんなときは、ぜひ『ボッキングフォード』も選択肢に入れてみてくださいね。今回ご紹介したようにさまざまな水彩技法がやりやすいだけでなく、優れた安定性もあるため扱いやすい水彩紙だと言えるでしょう。人によっては、その描き心地や触り心地に感動するかもしれませんね!
また、『ボッキングフォード』は水彩画に適したスケッチブックではありますが、実はパステルやガッシュ、鉛筆やインクなどさまざまな画材と相性がよい水彩紙でもあるんです。そのため、いろんな画材を組み合わせて絵を仕上げたいという人にもおすすめ! 幅広いニーズにしっかりと応えてくれる『ボッキングフォード』で、描きたい絵を表現していきましょう!