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ノートを使った効率的な勉強法はある?「点数アップ」につながるノート術
そもそも、ノートはなんのために取るのでしょうか。ノートを使った効率的な勉強法が知りたいなら、まずノートを取る理由や目的を確認してみましょう。
・あとから見返した際に、学習時の記憶を呼び起こしやすくするため
学校の授業で勉強した知識を、問題集やテストなどであとから実践する機会があります。
しかし、一度暗記した内容は時間の経過とともに少しずつ忘れてしまうため、繰り返し学んで頭のなかに定着させていかなければなりません。
学んだ知識をテストなどで正しく使えるようにするには、単語や出来事そのものだけでなく、全体の構造を理解したり、周辺情報と関連づけて覚えたりといったように、自分なりの工夫が必要です。そうした工夫を形としてわかりやすく残しておいたり、理屈や仕組みを理解したりするのに、ノートはうってつけのツールといえます。
● 「手で書くこと」の大切さ
手で書いてノートを取ることと、勉強内容の理解度には深い関係があります。五感とつながる記憶は忘れにくく、思い出しやすいもの。たとえば、実際にノートに書きこむことで、視覚(目から入る情報)・触覚(書いた瞬間の感触)と記憶の間に密接なつながりが生まれます。
ノートを見返すたびに声に出して読めば、聴覚(音として入る情報)ともつなげられるでしょう。普段の勉強はもちろん、テスト対策にも手で書くことは効果的です。
勉強では、「わかる(頭のなかで理解する)」と「できる(正しく記す、実践する)」の2段階をクリアしなければなりません。理解度や習熟度に合わせて、そのときどきでノートを取る目的は変わります。ノートをまとめるときには「わかる」と「できる」、どちらのためのノートなのかを意識するようにしましょう。
● 自分の言葉でメモする
先生や講師が話した言葉、黒板などに書かれた文字、資料に書かれた解説などをそのままノートに写しても、「わかる」にはなかなか結びつきません。必要なポイントを「自分の言葉」で補足したり、まとめなおしたりすることで、理解が深まります。
● 過去の実践(回答)を振り返るようにする
ただまとめるだけではなく、問題集やテストなどでの実践までをセットで考えましょう。問題を繰り返し解いていくと、どこでつまずいたのか、どこの理解が不十分だったのかがわかるようになります。ノートで過去の回答を振り返る習慣をつければ、「できる」を実現しやすくなるでしょう。
教科書・参考書のページ数、学習した日、単元、テーマ名などの索引情報を付箋などに書いて貼っておきましょう。そうすれば必要なときすぐにそのページを確認できるようになるので、勉強がはかどります。
その際、ページ数や単元、テーマ名などは書き方や書く順番などを統一しておくと、あとで探しやすいでしょう。
ノートは文字をびっしり詰めて書かず、復習中に気づいたことや補足などを追記できるスペースを残しておきましょう。
ほどよく間隔を空けることは、見やすさにもつながります。
間違えたポイントは消さずに残しておき、余白に注意点や苦手ポイントを追記すると効果的です。復習で注力すべき点が明らかになり、苦手を克服するヒントになるでしょう。
授業を通じて理解できたことを、自分にとってわかりやすい言葉で整理します。
毎回、「ほかの人に教えるなら?」という視点でまとめるクセをつけましょう。誰でもわかるような説明は、「記憶が薄れた未来の自分」が復習するときにも役立ちます。
・キーワードごとにカテゴリーやグループ分けをする
・人や出来事などのテーマを決め、自分なりの年表や相関図をつくる
ペンやマーカーで色分けをし、ひと目で重要なポイントがわかるようにしましょう。ただし、色が多すぎると把握しにくくなるので、3色程度にとどめるのがコツ。授業中に重要だと言われた単語や解説には赤、自分が重要だと感じた箇所には青といったように、それぞれの色に意味を持たせると覚えやすくなります。
また、色つきの暗記シートを利用して復習を繰り返すのもおすすめです。赤色の暗記シート(赤シート)を活用する場合、赤色の文字は隠れて見えなくなるので、あとで繰り返し勉強したい場合は重要なキーワードを赤字で書きましょう。
授業を聞いたその場でノートを取ることが肝心です。時間が経てば経つほど、記憶は薄れていきます。大事な情報を取りこぼしたままだと、繰り返し学習してもその効果が半減してしまうおそれがあります。
学んだことは、少なくとも当日中にノートにまとめます。記憶が新鮮な状態でノートを書くと、授業内容の理解と定着が早まるでしょう。
● 予習ノートのポイント
初めて触れた単語や気になった用語をピックアップし、教科書や参考書を読んで調べておきましょう。その際、わからなかった点を箇条書きにしておくと、授業の聞きどころが明確になります。
● 授業ノートのポイント
ポイントは、板書をそのまま写さないこと。授業を聞いて気づいたこと、わからなかったこと、注意すべき点などを自分の言葉でまとめます。不明点があればノートに空白を設けておき、授業後に調べた内容などを追記しましょう。
● 復習ノートのポイント
問題集やテストで間違えた問題を繰り返し解くためのノートです。間違えた箇所に自身の課題や弱点をまとめておけば、テスト前などに重点的に取り組めます。
キーワードごとに、情報同士の関係性に着目してまとめると理解が深まります。樹形図や相関図などを使って、自分なりに解釈するのも手です。
ノートの中央にメインテーマとなる言葉を配置し、そのテーマから連想される言葉(人、出来事など)を線でつなげながら、分岐させるように放射状に広げていく思考法を、「マインドマップ」といいます。このマインドマップを使えば、あとでノートを読み返したときに、自分がどういう考え方(覚え方)をしたのか、なぜその言葉同士を重要だと関連づけたのか、などを思い出しやすくなるでしょう。
授業ではじめに習うような基礎的な情報が理解しきれていないとき、その科目や単元に苦手意識があるときは、その分野に焦点を当てたノートを別につくってみてください。
テスト前は苦手ノートにまとめた内容を集中的に対策していくと、効率よくテスト勉強が進められ、点数アップにつながるでしょう。
学校の机など、比較的狭いスペースでも使いやすいB5サイズが基本です。
ノートを開くスペースに余裕があるなら、広々と書き込めるA4サイズを使うとよいでしょう。
罫線の幅は使い方で決めましょう。高校数学や物理など計算演習が多い科目は、行数が多いB罫線(6mm罫)のノートを選ぶのも手です。図・表などを多用するなら方眼もおすすめ。
罫線と方眼の線の色は、薄めのものを選ぶと書く内容の邪魔になりません。
背表紙がのりづけされたタイプは、見開きで使いやすいのが特長です。リングノートは折りたためるため、省スペースで勉強できます
マルマンのノートシリーズでは、『Smart Review(スマートレビュー)』の「復習罫」が勉強用ノートにおすすめです。
ノート記入ルールが設けられているので、記入を統一しやすいのがメリット。さらに、チェックボックスや要点まとめスペース、追記・復習スペースが1ページに詰まっています。
フォーマットに合わせてノートを活用するだけで、基本を学びながら効果的なノートがつくれるでしょう。