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風景画を初心者でも上手に描くコツを解説!手順や構図の決め方を覚えよう
風景画を描く際は、まず題材となる風景を探します。お気に入りの風景があれば、その場所を題材にしましょう。描きたい風景が見つからない場合は、観光地の写真などを参考にするのもおすすめです。描くものが多いビル街や雑多な街中の風景よりも、比較的なだらかな線が多い川や草原、湖畔、山などを選ぶと描きやすいでしょう。
最初に、紙全体に大まかなレイアウトを描きましょう。風景画では遠景を描くので、「アイレベル」を意識するとバランスよく仕上がります。アイレベルとは「目線の高さ」のことで、構図を決める重要な基準です。風景画を描く際は、「地平線」がアイレベルの基準になります。地平線よりも上は「見上げる角度」で描き、地平線より下は「見下ろす角度」で描いていくのがコツです。
レイアウトを決めたら、色を塗って絵を完成させていきます。画材は絵具やパレット、筆など手に入りやすく、風景画初心者にも扱いやすいものがおすすめです。色塗りの工程も詳しく見ていきましょう。
また、初心者の方は、大きすぎると構図取りが難しくなってしまったり、描き切れないこともあるので、小さめのサイズから始めるとよいでしょう。
サイズの選び方について、詳しくは以下で解説しています。
●風景画の地塗りをする
「地塗り」とは、風景画全体の色味をつくる作業のことです。使う色を大まかに決め、中間色を用いて領域を埋めるように色を塗っていきます。描き方のコツは、面積が大きい順に奥から手前に向けて塗っていくこと。また、地塗りの際には光がどの方向から差しているのかを確認し、光が当たる部分と影になる部分を意識して色を決めていくと、立体感のある絵になります。●奥から描き込む
地塗りで紙全体に色味を塗ったら、続けて細かい部分を描き込んでいきます。このとき、近景ではなく遠景から描き込むのがポイントです。遠くにあるものの色味はやや薄くして奥行きを表現し、近くにあるものは濃い色で書き込んで質感を持たせましょう。●仕上げ
風景画を構成するパーツの描き込みが終わったら、全体を見渡して不足している部分を描き足します。山や草原といった広大なシーンを風景画にする場合、霧や雲といった「モヤ」を入れることで大きな距離(奥行き)を表現しやすくなります。●風景画におすすめのスケッチブックのサイズは?
旅先のスケッチには、小さめのF0サイズ・B6サイズがおすすめです。ある程度大きく描きたい人は、F4・F6サイズを選ぶようにしましょう。また、初心者の方は、大きすぎると構図取りが難しくなってしまったり、描き切れないこともあるので、小さめのサイズから始めるとよいでしょう。
サイズの選び方について、詳しくは以下で解説しています。
絵画では何を主役にし、どのように引き立てるかが重要になります。とりわけ風景画は、見たままの風景を漫然と描き写すだけだと、「うまいけど印象に残らない絵」になりがちです。そのため風景画の制作では、「主役を決めること」「主役を引き立てるために空間をどう切り取るかを決めること」を大事にしましょう。
風景画は7つの要素で構成されています。このうち構図に関わるのは配置、形・線、明暗、空間の4つです。
●配置
「主役をどのくらいの大きさにするか」「どの角度から描くか」「主役をどのスペースに置くか」など、主役を引き立てるためのレイアウトを考える作業です。同じ位置から見る風景でも、目線の高さや描く範囲によって、絵の印象は大きく変わります。●形・線
描くものの形をとらえ、絵を見る人の視線を誘導する「線」を決める作業です。主役となるものの線の数や太さを強調して描けば、主役の存在感が増します。●明暗
絵を描く際に意識したいのが、光の差している方向です。明暗のバランスを考えながら描くと光と影のコントラストが際立ち、絵にインパクトを持たせられます。風景画では、色塗りの段階ではなく構図を決める段階で明暗を意識することが重要です。●空間
レイアウトのバランスが悪いと、ぎこちない印象になってしまいます。アイバランスにこだわり、立体感や遠近感を意識して線を引いていくことが大切です。●固有色
植物や水、岩など、風景画に描かれる素材には、それぞれの色合いや色面構成(形やバランスを見ながら色を組み合わせ、まとまりのある絵に仕上げること)があります。それらを表現するうえで適した色を選ぶことで、絵の存在感が増すでしょう。●質感
動物の毛やガラスのように固有の質感がある素材なら、その質感を表しやすい手法で描くとリアルになります。●画材ならではの味わい
どんな画材を使うかで、絵の味わいは変わります。同じ風景を描く場合でも、水彩画、油絵、鉛筆画、それぞれで大きく印象が変わるでしょう。また、「どんな紙に描くか」によっても色合いは変化します。●一点透視図法
一点透視図法を用いたレイアウトは、ひとつの消失点に向けて構図が収束し、深い奥行きを表現できる方法です。まっすぐな線が増えるため硬い印象になりがちですが、シンプルなので初心者でも取り組みやすい構図といえます。●二点透視図法
垂直に引かれた線で構成される二点透視図法は、中央にある建物などが強調される手法です。消失点は2つですが、消失点がキャンバスに収まらない構図も多くあります。●三点透視図法
消失点が3つある三点透視図法は、高さや深さを強調できる手法です。一点透視図法、二点透視図法よりも立体的でダイナミックなアングルとなり、よりリアルな構図で描けます。「グリザイユ画法」は、最初に白と黒でモチーフの陰影を描いてから色を塗っていくという通常の手順とは逆の描き方をする方法です。もとは油絵の手法のひとつですが、絵具を混ぜて色をつくるのが苦手な方に向いています。色より先に影を付けるため立体感を出しやすく、明暗によるメリハリを出しやすいこと、色を塗るそれぞれの部分に対して影の色を考えなくてよいことがメリットです。
水彩画ならではの描き方として、絵具が乾かないうちに異なる色を塗り重ねる「にじみ塗り」(ウエットインウエット)という技法があります。混じり合ってにじんだ色合いから、柔らかな美しさを表現しやすいのが特徴です。物体が持つ柔らかい雰囲気や、遠くのものがピンボケしたような感じを表現したい場合に適しています。
ウエットインウエットの他にも水彩画にはさまざまな技法があります。詳しくは以下の記事をご覧ください。
スケッチブックで水彩画を描きたい!おすすめの用紙や描き方を解説
ウエットインウエットの他にも水彩画にはさまざまな技法があります。詳しくは以下の記事をご覧ください。
スケッチブックで水彩画を描きたい!おすすめの用紙や描き方を解説
●入門にぴったりなセット内容
キットには、水彩画初心者に必要な画材がすべてセットになっています。水彩絵具、筆、パレット、水彩紙はもちろん、鉛筆や練消しゴム、デッサンスケールまでそろっているため、購入したらすぐに水彩画に取りかかれます。コンパクトなので、持ち歩きできるのもうれしいポイントです。●コストパフォーマンスが高い
『ヴィフアール水彩画スターターキット』を購入すれば、必要な文具を一つひとつ買うよりも安くそろえられます。また、美術用品の分野で長年の実績がある画材と、専門家が選んだ質のよいアイテムを手頃な価格で手に入れられるのも魅力です。水彩画は多くの水を使用するため、できるだけ厚みのある紙、水彩紙を選びましょう。厚手の紙には、波打ちや歪みが生じにくいというメリットがあります。また、紙の質感は色の風合いにも影響を与えるため、こだわって選びたいポイントです。
『ヴィフアール水彩紙』は、にじみやぼかし、色ののり方を自由に楽しめる上質な国産水彩紙です。リーズナブルでありながら高級水彩紙のような描き味を楽しめるので、初心者にもおすすすめです。紙色はナチュラルホワイトなので、雲や光といったの風景の「白色」を自然に表現できます。「荒目」「中目」「細目」という3タイプの肌目から、表現したい絵に合わせて最適なものを選びましょう。
『ヴィフアール水彩紙』は、にじみやぼかし、色ののり方を自由に楽しめる上質な国産水彩紙です。リーズナブルでありながら高級水彩紙のような描き味を楽しめるので、初心者にもおすすすめです。紙色はナチュラルホワイトなので、雲や光といったの風景の「白色」を自然に表現できます。「荒目」「中目」「細目」という3タイプの肌目から、表現したい絵に合わせて最適なものを選びましょう。
「風景画を描いてみたい!」という方には、初心者でも取り組みやすい水彩画がおすすめです。ただし、必要な画材を一から購入するとなると意外に費用がかかるもの。『ヴィフアール水彩画スターターキット』なら必要な画材や文具がコンパクトなセットになっているので、手軽に彩画を始めたい方にぴったりです。『ヴィフアール水彩紙 アソートパック』とともに公園や旅先などに持参して、風景画を楽しんでください。
記事内の風景画使用例にご協力いただきました。
柏美術学院カルチャー教室は、こども向け美術教室のかしびきっず、一般趣味・教養講座のカルチャー講座があります。芸大・美大出身講師やプロのアーティストによる本格的な指導が受けられる多彩な講座を行っております。
風景画講座、大人のクレヨン画講座、絵手紙講座など新しい講座の体験も受け付けております。ぜひ一度お越しください。
柏美術学院カルチャー教室は、こども向け美術教室のかしびきっず、一般趣味・教養講座のカルチャー講座があります。芸大・美大出身講師やプロのアーティストによる本格的な指導が受けられる多彩な講座を行っております。
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日本画家 / 風景画・絵画デッサン 講師
名雪 大河 Taiga Nayuki
[ 作家略歴 ]
2011年 東京藝術大学 絵画科 日本画専攻 卒業
[ 展示 ]
2020年 ザ・美術骨董ショー 東京プリンスホテル
2022年 個展「巡る色彩」 ASAGI ARTS
2023年 グループ展 「アラカルト展」船橋市民ギャラリー
他多数開催
[ 受賞 ]
第22回三菱商事アート・ゲート・プログラム入選
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